LED 蛍光灯からの確認事項
バリュー・チェーンやビジネス・システムの考え方は、機能還元主義的な考え方に加えて、機能相互の連携をよくすることで、全体のパフォーマンスを上げることもできるという見方をしている点にある。
個々の機能は価値を創造するためにチェーンでつながっているのだから、その連携の仕方も全体のパフォーマンスを上げるためには重要であると考える。
全体のパフォーマンスを向上させ、マージンを最大化するために何を行うべきかを検討するには、全体の機能を向上して何を達成目的とするのかという戦略的な部分と、そのためには個々の機能で何を達成すべきかという戦術的な部分の二つの点を明らかにすることが必要になる。
マイケル・E・ポーターからの引用である。
競争優位戦略は、競合相手とは異なる性能や品質によって競争優位を獲得する「差別化戦略」と、競合相手と同じモノをより安く提供する「コスト・リーダーシップ戦略」の二つしかない。
あとは、特定の市場に集中してこの両方を行う「フォーカス戦略」である。
すなわち競争戦略の基本類型は三つだけだというのが、マイケル・E・ポーターの主張である。
余談、だが、マイケル・E・ポーターは近年の著書や講演で「従来の日本企業の競争戦略は、コスト・リーダーシップ戦略にあり、オペレーションの優秀性だけで競争をしていた」と言っている。
他社と違うことで差別化してプロフィットを得るのではなく、同じことをいかにより安く、ょくできるかという競争を繰り返していたということだ。
では、これからの時代はどうかと言うと、コスト・リーダーシップだけでなく、差別化をどうやって実現するのかが課題となる。
そこで、ビジネス・システムの考え方を利用して、どのような分析をするかを示した例をいくつかあげることにする。
コストに関する分析結果である。
コストの内訳として各々を機能別で切ったときに、どの機能にどれだけのコストがかかっているかを比較する方法である。
たとえば、同じような製品を製造、販売している企業であるA社は、トータルのコストとして2O万ドルかかっているとする。
一方、競合企業B社、C杜はそれぞれ18万5000ドル、18万1000ドルである。
そこで、機能別にコストを下げて、どこが違うかを見る。
B社のコスト構造と比べてみると、マーケティング、セールスの部分で、A社の6万4000ドルに対して、C社は4万1000ドルである。
また、サービスにかけるコストもずいぶん違うことがわかる。
一方、生産はC社の方がコストを多くかけている。
ビジネス・システムのフレイムワークを使うことにより、こういった個々の機能での効率性の違いを認識できる。
次に、この機能はなぜ6万4000ドルに対して4万1000ドルですむのかについての分析に入る。
たとえば、代理店ネットワークが違うとか、販売方法としてダイレクト販売を採用しているといったいろいろな理由があげられる。
そして、各機能での施策はコスト構造の変化として表れる。
こういう戦略をとったらどうなるか、どの機能でどれだけのコスト削減を実現できるかが、コスト面に現れてくるのである。
当然、ITを使ったらどうなるか、そのことでコスト・リーダーシップをとれるのかということも検討課題のひとつとなる。
単に、個別の施策単位で判断するのではなく、全体のビジネス・システムのなかで戦略上の有効性を検証することが重要なのである。
ビジネス・システムの考え方を利用して差別化戦略を検討する場合の観点は、コスト・リーダーシップの場合とは異なる。
そこで、次に差別化戦略の分析に話を進めたい。
図却は、差別化戦略の分析をイラスト化したものである。
たとえばBMW車の市場価格を1OOとすると、自動車という基本的な機能に対する価格部分は半分くらいである。
それに対して保有することによる満足や名声に対する価値が1Oくらい加わる。
しかし、それでもまだ説明できないプレミアムの部分があることがわかる。
同様に、グッチなどのブランド品と呼ばれるものに関してもデザインによる価値があって、「ブランドによるプレミアム」がついていると分析できるわけである。
そこで、製品やサービスが本来もつ機能価値以外の付加価値がどのような活動によってつけられるかを、機能という観点から考えることが必要となる。
たとえば、「デザイン機能」では、高名なデザイナーがいるだけでなく、継続的に育成する仕組みをもっていること、「サービス機能」では、手厚いアフターサービスを行うことが、ブランドの信頼性につながっていること、「生産機能」では、徹底した検査が費やすコスト以上に品質に対する信頼を生んでいることなどがあげられる。
そして、差別化という観点でも、施策への展開を検討するときには、プレミアムを獲得するために必要なビジネス・システム全体での施策は何であり、そのためにどれだけの投資が必要なのか、費用はいくらかかるのか、どれだけの効果が見込めるのかを検討するのである。
av競争寵位は企業活動の機能連携で生まれる前節で検討したCSFを実現するために、どの機能でどのような活動を実現するかを明らかにしていくことがビジネス・システムの考え方である。
「コスト・リーダーシップ戦略」の場合、図引を使って一般的に競争優位の源泉を何に求めるかを見ると、低コストの生産技術、モジュール化された部品、多品種少量生産に対応できる生産ライン、地域的な占有率がポイントと成りうる。
一方、「差別化戦略」では、図辺のように、特許化された技術や環境への対応、短い生産のリードタイム(顧客から受注して、モノやサービスを届けるまでの期間)、高度な品質管理など、他社に真似のできない何かがポイントになるのである。
そこでCSFを実現するためには、ビジネス・システムで言うと、その源泉がどの機能のどのような活動、あるいはどの連携によってもたらされるのかを明らかにしていくことが必要である。
それがわかって初めて、実現策が明らかになるのである。
加えて、全体としての施策の費用対効果を評価することによって、経営判断が可能となるのである。
こういった検討の過程で、Tという手段の利用方法を考えてみることになる。
いわゆる「eビジネス」で注目されているトピックで言うと、たとえばインターネットによる販売や、ポータルサイト(玄関となるホームページ)とのリンクによる集客が「販売」や「マーケティング」の機能に関連する。
「調達」には、「eプロキユアメント」と言われる電子調達や「マーケット・プレイス」と呼ばれる調達専用のサイトを利用することで、今までよりも安くモノやサービスを調達できるといった選択肢が出てくるわけである。
そして、各々の選択肢を、自社の戦略を念頭に置いた費用対効果で分析したり、「差別化」という意味でデザイン力や高性能といった競争優位の源泉に制約を与える条件を再検討したりして、施策を決定していくのである。
ビジネス・システム分析で、今一度、強調したいことがある。
それは、ITソリューションと言われるものが往々にして機能別にとられがちであるのに対して、競争優位は常に機能連携によって生まれてくることである。
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